7月13日〜7月19日

7月13日

朝起きるときに父親におでこに手をあてがわれた気持ち悪さで目が冴えた。至近距離や肌と肌のふれあいは昔から苦手。

昨日京都で朝まで飲んでいた上戸さんは案の定閉店ガラガラ状態で高槻についてもなかなか家に入れずロッテリアで発狂寸前。万引き家族を観たあとにどうしてもポテトチップスが食べたくって夜中に買いに行くスペシャルイベントは嬉しかった。

貧困や精神的困窮、病、など様々な不幸に見舞われると、人は、私、私の意識、自我、私の矜持だけは誰にも壊されない、誰にも捨てられない、誰にも奪われない、誰にも関与されない私だけの持ち物だ、他の全てを奪われて壊されて捨てさせられても、これだけは私だけのものだ、ってなるらしい。震え上がりながらそうあることに安心してしまった。でもなんとなく昨日寝る前と今朝起きたときに感じた恐怖がこれからも続くのなら私は全て捨ててしまいたいけどな。

 

7月14日

起きてすぐに上戸さんはお腹空いたということが多いんだけど私は消化しきれていないことの方が多いのと多分アレルギーで作った冷麺をほとんど食べてもらう。そのあとすぐに二人でお昼寝をした。

夕飯は家から1分の串カツを食べて、期待してなかったのにとても美味しくてつい食べすぎてしまった。

自分の寝言で起きると眠ったはずの上戸さんが床でじっとしていて、怖い夢を見ていた私は驚いて目が覚めた。ゆっくり寝てほしくてたくさんお喋りをしていたらだんだん頭も冴えてしまったが、役目を果たすことが嫌で狸寝入りをしているうちにまたどうやら眠ってしまったらしい。

 

7月15日

先に目が覚めて昼前に起こすと相変わらず不機嫌だった。今日はお布団を干したいと伝えてあったのでその通りにしたら上戸はより不機嫌になってしまった。

どうしようもないので昼ごはんを買いに行き、少し回復した上戸の元気ないねと言う言葉に無神経さを感じた。やさしく鈍く寛大にうすくなれない自分勝手さや自己愛にうんざりする。もはや優しさが距離なのか感度なのか人間の出来上がり具合なのかさえわからない。食べ終わったらゲームをずっとやり続ける上戸を見続けるのも飽きたので30分寝て帰宅してきた。

 

7月16日

朝から確かに機嫌が悪かった。夕飯とお弁当を並行させながら動いている人間を横目にため息をついたりわけのわからない言葉を発している人間に、無駄に、無駄に苛立ってしまったり、夕飯や後片付けを終え一息ついているときにさえ思い通りにならなくて無駄に、無駄に、暴君かのように自分の意と反する物事に腹を立ててしまった。表に出すことはなんとか堪えたがモチベーションはだだ下がり、やっと木曜日頑張れるように自分を持っていっていたのになにもかもが嫌になる。架空のOLを用意してたくさんいじめることによってなんとかそんなことが連続することの当たり前さを許容する。無駄にひとにあたらない、そうしてしまえば跳ね返ってくる自己嫌悪で悩まされることになるもんね。

 

7月17日

木曜日の用意やきちんとそこまでたどり着けるか自分の状態を少しでも悪くならないように、正気を保つことに常に気を配る。あと数時間で夜になる、でも今1秒が苦しいと声をあげたくなるのをこらえるのに必死だ。誰かに、自分に抱きしめてもらいたい。

父親が母親に怒鳴ったあとわたしに猫なで声で声をかけてくる気持ち悪さに耐え続けるのに疲れた。

忙しくて前向きになれない気持ちで部屋の掃除を進める。毎回のことだけどどうしていきているだけでゴミが出るのかと考えてしまう。

 

7月18日

どれだけ正常を装っても当日になろうが嫌なもんは嫌ですみませんいけませんと目が覚めて5秒で連絡をしてしまいそうになったけど、キャバ嬢の休んだらもういけなくなるからとりあえず出勤する!という言葉を思い出し踏み止まる。

深夜に冷戦状態の上戸から連絡があった。これといってなにかあったわけではないけれど、もやもやしたものは確かにあって、結局そのラインでもやもやがなくなることはなかった。

講座が無事終わったので駅ビルでハイボールをいっぱいだけ。姿勢が悪いのに五時間もそのままだったのでうなぎのような動きをしながら飲むハイボールの味はよくわからなかった。

 

7月19日

業者が来るので掃除機を家中にかけまくる。お昼から病院で、先生にアーティスティックな雰囲気を出してますもんねと言われて少しバカにされてる気がした。偏見だけど、芸術的だよねって精神科の先生がいう場合は少しそういうやらしいニュアンスが感じられる。薬を変えてもらってユニクロに寄ってなにも買わずに帰宅した。

発狂してしまいそうなほどではないがぼんやりと希死念慮が頭の中にこってりはりついていて、タイミングさえあえば瀉血してしまいそう。したい!と強く思っているわけでもなく、本当にただぼんやりとそう思っている。

夕飯にお母さんがヨダレ鶏をリクエストしてくれた。新しいお薬でも飲んでみるか。

ケンジさんと飲みに行くと連絡があった。お金がないとか時間がないなんて、心からそう思ってる人の口から出たことってあるのかななんて考えてる。なんだかものすごく疲れた。別になにかだれがどうのというわけでなく、満遍なくなにかのことより自分のすべてが、すべての下のほうに沈殿しているみたい。

 

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